シュトレン探求の旅にご招待・レシピ開発編

クリスマスが近づき、ホリデーお菓子の用意にウッキウキのお料理好きさんたちが砂糖や小麦粉をキロ買いしている今日このごろ、みなさまはいかがおすごしですか?
フランスのブッシュドノエルなんかはスポンジケーキにクリームだから食べる前日にでも作れますが、イギリスのクリスマス・プディングやイタリアのパネトーネみたいに数週間前に作って寝かせておくお菓子となると大作に取り組む意気込みになってしまいますね。そしてドイツのクリスマスケーキ、シュトレンもそんな大作なのです。

 シュトレン作りについてかなり熱く粘着質に語ります。シュトレン焼かない人はついて来れないだろうとほぼ確信していますが遠慮なく振り落としていきます。


シュトレンってなーに?
シュトレンはイーストで膨らませるのでパンの一種とする人もいますが、バターの比率が高く日持ちのするドイツのクリスマスケーキです。ラム酒やブランデーに漬けたドライフルーツ、ナッツ、スパイスなどがたっぷりの質朴でありながら重厚かつ頑固な本質&ナマコ型の本体に粉砂糖を振りかけただけの無愛想なほどのアンチ虚飾っぷりがいかにもドイツなお菓子です。
マジパン(アーモンドのペースト)や芥子の実(ポピーシード)のペーストを巻き込んだバリエーションもありますが、芥子はアヘンなので尿検査の前に食べると引っかかるそうです。「シュトレン食べたんです!ほんとです!」とか通じなさそうだから気をつけなきゃね。


シュトレンのレシピは本当にさまざまで、ガッチリ固いパンのような食感のものもあれば、ボロボロ崩れる感じのものもあります。
毎年作っているシュトレンもまあまあソレらしくできてはいたのですが、やっぱりイースト生地にありがちなモサモサ感がぬぐえないのがチョッピリ不満でした。口中の水分が奪われて飲み込みにくかったり、ぼろぼろ砕けたりくずれたりするのはイヤ。あくまで伝統を感じさせるドッシリ感で、それでいてくちどけがよくてバターとラム酒の風味がいっぱいのドリーム・シュトレン。。。それを目指して材料の配合から手順までぜんぶ見直し、実験的に作ってみました。
実験結果は二週間後の味見にて明らかになるので、このレシピを使ってのシュトレン作成はアタシと一緒にリスクを背負う覚悟を決めた方でなければお勧めできませんね。。。


材料:小型シュトレン4本分 ← 12月7日改定してます!
小麦粉(中力粉) 450g
アーモンドプードル 50g
生イースト 1パック(57g)(ドライイーストなら30gくらい、インスタントドライイーストなら20グラムくらい)
バター  200g ←220gから変更
卵黄 2個 ←3個から変更
砂糖 70g
はちみつ おおさじ1 ←おおさじ2から変更
牛乳 180cc
ラム酒またはブランデーなどに漬けたドライフルーツ 水気を切って400g
シナモン こさじ1
オールスパイス、ナツメグ、白こしょう、カルダモン 各こさじ1/2


仕上げ用
バター 100g ←110gから変更
ラム酒 1/2カップ ←1カップから変更
粉砂糖 2カップ

バ・・・バターあわせて330g・・・?仕上げに砂糖2カップってなんの間違いよ?と正気とは思えない動物性油脂と精製糖の総攻撃に動揺なさったのではないでしょうか。ドッシリ信条国ドイツにおいてさえも年に一度のクリスマスに限定されたお祭りケーキに取り組むというのはこういうことです。
ここでホッソリ狂信国ジャパンの常識の枠から飛び出すことができないと、モサモサ固くて飲み込みにくいものができあがって「シュトレンてうまいもんじゃねえな。やっぱスイーツはフランスとかオーストリアだよな」というような悲しい異文化理解の失敗を経験することになってしまいます。
ラム酒1カップについては驚いてくれてもけっこうです。酒好きなアタシのちょっとした冒険です。

追記:レシピを改良し、バター使用量を300グラム、ラム酒を1/2カップへとそれぞれ減量しました。(12月7日)

  • 卵について

ネットや本でシュトレンのレシピをかなり研究しましたが、卵は1)一切使わない、2)全卵を使用、3)卵黄だけ使用する、というようにさまざまなレシピがありました。私はしっとりドッシリをめざすので多めに卵黄を使うことにしました。去年までは卵を使わないレシピで作っていたのですが、ガッチリ固めのできあがりでした。

  • 砂糖の使用量について

砂糖の使用量もレシピによってかなり違いました。去年までのレシピでは小麦粉の10%くらいの量(小麦粉500g、バター200g、砂糖50g)だったのですが、それだと表面の粉砂糖を頼りにしなければ甘さが足りなく感じていたのでいくぶん増量させました。生地をしっとりさせるなら甘みはハチミツ!の大原則にしたがいハチミツも使います。

追記:レシピを改良し、卵黄を2個、はちみつをおおさじ1にそれぞれ減量しました(12月7日)

  • バター

いくらバターが好きでもこれ以上は増やさないほうがいいのでは・・・というほどの量を使っています。太るとかそいういうことじゃなくて、これ以上バターを増やすなら型を使わないと生地がダレるのではないかと思います。太らないということではもちろんありません。腹を決めましょう。

アメリカではバターはひとパック1ポンド(16オンス・約450g)で売っていて、この中に4オンス(約110g)の包みが4本入っています。こんな事情もあり、私は生地にこのバターを2本、仕上げに1本使うことにしました。

追記:重複になりますが、レシピを改定しバター使用量を減らしました。やっぱ生地ダレました。(12月7日)


緊迫の作り方は明日アップします!
シュトーレン作り方
シュトーレン味見&反省&レシピ改定


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