フルーツケーキを焼こう

フルーツケーキを二本焼き、一本をパスオーバー、もう一本をイースターの夕食のデザートに持っていきました。ほとんど同じメンツだったのですが、「これ先週のパスオーバーのときに持ってきたケーキだよね?あれも相当オイシイと思ったけど、コレはもっとオイシイ!」との評価をいただきました。
 「ヒッヒッヒ、それはあれから一週間、二日おきにラム酒をかけつつ冷蔵庫で寝かしておいたからだよ(本当は怖いグリム童話風に)。」

パカっと割れるほどには膨らまなくってちょっぴりガッカリ。何度焼いてもパウンドケーキは勉強だなあ。



材料と準備は前回のアップをご覧ください。
アタシはいつもぞんざいで、目分量でお料理することが多いのですがこのケーキは厳密に計量することをおススメします。また、バターを室温に戻して充分柔らかくしておく、使うボールは水滴などついていない清潔なものを用意する、粉はあわせてふるっておく、型にバターを塗って粉をはたく、オーブンを予熱する・・・などは地味な準備作業ですが、できあがりにダイレクトなインパクトを与えます。落ち着いて用意を整えてください。


作り方

1)卵白を泡立てます。塩を一つまみ入れ、泡立てながら分量の砂糖の中からおおさじ3杯を3回に分けて加えます。
 パウンドケーキのレシピでは、全卵をといてあわ立てたバターに少しずつ加えていくことが多いのですが、たまごの量が多いのでどんなに気をつけても分離してきちゃうと思います。たまごは卵黄と卵白に分けて、卵白をあわ立てて使った方が失敗がなく、フンワリしたできあがりになると思います。

卵白は「ピンと角が立つくらい」とよく言いますが、それではまだ水っぽいことがあります。
 「ヘラですくったときにエッジがシャープなくらい」を目安にしっかり泡立ててください。


2)別の大きなボウルに室温に戻して柔らかくしたバターを入れ、あわ立てます。
 これもレシピによっては「ヘラで練れ」とか言うこともあるけど、しっかり空気を含ませたいのでやっぱりあわ立てる気持ちでやったほうがいいかと。この作業は卵白に使った泡だて器をそのまま使ってもオッケです。しかしバターを先に泡立ててしまい、バターまみれの羽根を卵白に使ってしまってはいけません。あわ立ちません。


泡立てながら、残りの砂糖をスプーンで数回に分けて加えます(私は今回キビ砂糖とグラニュー糖を混ぜて使っていますが、日本でならグラニュー糖より上白糖のほうがとけやすくていいと思います。)。
 砂糖が溶けてバターに混ざっていくと、白っぽくフカフカな感じになっていくはずです。この辺でオーブンを170度に温めておきます。


3)砂糖をすべて入れたら卵黄をひとつずつ入れ、その都度よく混ぜます。この作業はいつも子供を助けに砂地獄に飛び込んだ鬼のフドウ(ラオウが唯一恐怖した漢(おとこ))を私に思い出させます。
 

卵黄フドウ 「タンジー!ジロー!実の父親に捨てられたお前たち、見殺しにすることができるものかーーーー!!!」
ゆう 「ヒャッハーーー!電動ミキサーだーー!」


4)卵黄をすべて入れたら、粉類(小麦粉、コーンスターチ、ベーキングパウダーをあわせて振るっておいたもの)、汁気を切っておいたフルーツ、卵白のみっつを交互に混ぜていきます。
 まずスプーンで粉をサラッと振りいれ、ゴムベラでザックリまぜたら卵白をヘラでひとすくい→軽くサックリとまぜたところで粉をスプーンでふたつほど振りいれる→粉の上にフルーツをふりかけ、粉をまぶしながら混ぜる感じで大きくヘラを動かす→卵白→粉の上にフルーツ→。。。を繰り返してすべて混ぜます。


この手順でやったほうが、粉、卵白、ドライフルーツのそれぞれをいっぺんに混ぜていくより失敗がないと思います。ドライフルーツは表面を乾いた粉にまぶした状態でないと焼いている間に生地の底面に沈んできてしまうのですが、分量外の小麦粉を使いたくないのでこんなかんじでやっています。
 練らずにザックリと、ヘラを縦に使って切るように混ぜてください。


5) バターを塗り、粉をはたいておいたパウンド型に入れます。生地はけっこう硬いので、流し込むというよりはヘラですくってボトンと入れていく感じになると思います。
 生地を入れた型の底を、台に落とすように2、3回打ち付けて空気抜きをします。地味な作業ですがうまく膨らんだ焼き上がりになるために大事だったりします。

生地の表面をヘラでたいらにならして、縦に一本線を入れたらいよいよオーブンに入れちゃいましょう。


6)160-170度のオーブンで30分から40分ほど焼きます。オーブンのクセとかもあるので、ふくらみが足りないのにもう表面だけ焼色が濃くなってきた・・・とかいうことが起こっていないか途中でチェックしてください。
 15分後くらいでチェックしたところ。問題ないみたい・・とか思ったけどちょっと温度低かったです。前回表面に焼き色が濃く付きすぎてしまった記憶があったのでビクついていました。もし15分たったところですでに狐色だったりしたら温度を低くするか、表面にアルミホイルをカサッとのせてあげてください。


7)焼いてる間に砂糖おおさじ2、水おおさじ1を強めの弱火にかけて、フツフツととろみが出て大きな泡が見えるようになるまで煮つめてシロップを作ります。よそ見してるとカラメルになっちゃうから気をつけて。
これにラム酒50ccを加えて混ぜておきます。アルコールが残るのがイヤなら、最後にラム酒を入れてからも少し火にかけてアルコールを飛ばしちゃってください。


8)さてケーキのほうは箸(竹串とか金串とかならもっといいけど)を刺してみて、生の生地が付いてこなかったら焼きあがり。
 ・・・なんだよ、パカっと割れ目ができるほど膨らんでないじゃん(誰に文句言ってんのアタシ?)。


8)熱いうちに型から出して、シロップとラム酒を混ぜたものを刷毛で軽くたたきつけるようにしみこませていきます。私は実はシロップのかわりにコアントロー、グランマニエ、トリプルセックなどのオレンジ系の甘みのあるリキュールを使います。理由は砂糖を煮たりするのが面倒だから&酒好きだから。


9)分量外のラム酒に浸して軽く絞ったキッチンペーパー(もしくは清潔なチーズクロスやガーゼ)で包み、ふわりとラップをかけて冷まします。完全に冷めたらラップでピッタリと包みます。


10)コレを冷蔵庫に入れて最低でも二日、できれば一週間ほど寝かせます。2、3日ごとにラップをあけてラム酒を刷毛で塗り、キッチンペーパーに湿りを与えてあげるとさらにラム酒の風味アップです。


自分で言うのもアレですが、このケーキはうまく焼きあがると至福のおいしさ!どなたへのプレゼントやお土産にしても恥ずかしくない上品で立派なケーキです。シットリしていてラム酒とバターの風味が豊かなのに、ジットリベッタリしたバターケーキ特有の重苦しさがなく、ヘタにカロリーや脂質を抑えり、バターの代わりにオイルを使ったり、ホットケーキミックスと牛乳や豆乳を混ぜて作ったりした簡単アレンジパウンドケーキ群にはない本物の品格と貫禄のおいしさが食べる人を圧倒します(言い過ぎてるかアタシ?)。
日持ちもするしおいしいので、焼き菓子スキさんはぜひ挑戦してください。



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