白菜キムチについて

もう何年も前から作ってはいたんだけどどうにも満足した出来になったことのないニクイやつ・・・!作るたびに発酵食品の難しさにうなってしまうのですが、今回はレシピのまえにキムチ作成についてチョッピリお勉強しましょうか。

韓国料理の必須すぎる一品、白菜キムチにガップリとりくみます!


以下は私のけして長くない経験と、ネット、本、コリアンのお友達などを情報源に拾い集めた情報を基にしています。けっこうマジメに調べましたが誤情報などもあるかもしれません。そんなときにはコメ欄にツッこんでください。


キムチってそもそもなんなの?
キムチって唐辛子の入ってる白菜漬けでしょ?とか思ってる人はいないでしょうな?
キムチは白菜に限らずさまざまな野菜で作られる漬物なのですが、たいていは軽く塩漬けにしたメイン材料にヤンニョムといわれる唐辛子を多く含んだあわせ調味料とでもいうようなものをはさんだり揉みこんだりして作ります。辛さと塩味に加え、乳酸発酵によるうまみと酸味が特徴で、各家庭や地域によってさまざまなレシピがあります。

まずはおおざっぱに一般的な白菜キムチの作り方をおさらいしつつ考察してみましょう。


1)白菜は茎を切り離さずに適当な大きさに縦に割って、下漬けする。
下漬けは塩のみ使用する方法と、塩水につける方法があります。また使用する塩の量もさまざまで、軽めの塩で下漬けした後そのまま本漬けする方法と、シッカリ塩を使った後に塩抜きする方法とがあります。

私はどちらも数回試しました。個人的な印象と感想ですが、強めの塩を使って塩抜きする方法だと白菜から水気がけっこう抜けるので、できあがりがシットリ&シンナリするようです。一方軽めの塩をする、もしくは塩水を使う方法だと本漬け後も白菜がシャッキリした食感で、一般に売っているキムチよりもパリッとした感じになります。

塩を直接振る方法だと白菜の重量を量ってから何%の塩を使うとかいうことがはっきりして目安にしやすいのですが、全体にまんべんなく&根元の固い方に多めに振ることに熟練が必要で、またまだらに塩をしてしまうと塩をしていない部分から腐敗しやすいというリスクもあるそうです。ビギナーさんなら塩水を使う方法のほうが失敗が少ないんじゃないかな。

 コリアンのお友達にも習ったけど、彼女の家では代々塩水を使うレシピだそうです。


2)下漬け後、必要なら塩抜きしてから白菜の水気を絞る。
ザルなどに根元を上にしてあげておいて半日ほど放置し自然に水を切るのが王道のようです。時間をかけたくなければ手でギュッと絞るのもありでしょうけど、水分が多いと発酵がうまくいかなかったりするのでここで白菜をキッチリ水切りしておくことが実はとっても大切だそうです。


3)ヤンニョムを作る。
ヤンニョムの材料はざっと分けると香辛料、タンパク系材料、薬味、炭水化物系材料、その他があります。
キムチの香辛料はもちろん唐辛子、にんにく、しょうがの三種がメインで、これらがキムチ独特の辛さ・香り・鮮やかな赤い色になりますね。

薬味には細切りにしたネギ、大根、にんじん、ニラ、ゴマなどが一般的ですが、これもどれをどのくらい使うかはレシピによってさまざまです。

ヤンニョムにはノリと呼ばれる炭水化物系の材料を入れるレシピが多くがあります。米のおかゆや、白玉粉(もち米の粉)、小麦粉を水で煮たものなどですね。ヤンニョムにとろみを加え発色を良くし、さらにこれが糖分に分解されて乳酸発酵を促進させるといいますが、不要だというレシピも多いです。けっこう調べてみましたが、コリアン系お料理研究家の先生のレシピではノリ、もしくは砂糖(炭水化物が分解されるのを待つのでなく直接糖分を入れる)を使っているレシピが多かったので私もお粥を使うことにしています。

また、果物(りんご、梨など)を使うこともあるようです。これはマイルドさと果糖を追加する意味合いでしょうね。


だし汁、アミやイカなど魚介の塩辛、魚醤などは自身うまみ成分を多く持っているのですが、たんぱく質がアミノ酸に分解されてさらにうまみとなります。ちゃんとおいしくできるかビクビクしてるとついこの辺の材料を多く使ってしまいますが、たんぱく質は乳酸菌の餌にもなるので発酵がすすみすぎ、スッパくなりすぎる原因にもなるそうな。ままならないものですね。

さらに生のホタテやエビ、カキなどを入れるレシピもあります。これは非常においしそうに聞こえるし実際うまくできると非常においしいのですが、ちょっと発酵のバランスがくずれてしまうとけっこう重大な事態をひきおこしてしまう悪魔的上級アイテム。。。


腐敗と発酵
発酵と腐敗、人間に都合がいいかどうかで呼び方を変えているだけで、実は微生物が作用しているという同じ事象ですもんね。
キムチを例で言うと、うまいこと乳酸菌が増えてくれると発酵ですが、乳酸菌が活発になる環境がそろわなくて他の好ましくない微生物が増えちゃうと腐敗、と。そして生の魚介類を好む微生物にはサルモネラや腸炎ビブリオなど深刻な食中毒の原因となるヤツらがいます。

頑張って作ったキムチ、ちょっとヘンなニオイがするみたいだけどきっと気のせい・・・と捨てる勇気を持てずに食中毒を引き起こしてしまうのが最悪の負け戦です。熟練した技術と信頼できる管理能力を自負できるレベルに達するまでは生の甘エビやカキなどには手をつけないことをおススメしたいです。


4)白菜にヤンニョムをはさみ、本漬けする。
ヤンニョムを挟んですぐの若いキムチをゆで豚と一緒に食べるのもおいしいものですが、やはり適当な時間を置いてうまいこと発酵しうまみと酸味が出てからが食べごろです。
どのくらいの期間漬けておくかが思案のしどころですが、温度に加えて上記したようにたんぱく質系材料が多いと発酵が早いなどヤンニョムの材料にも左右されます。

日本人の書いたキムチのレシピでは3,4日後から1週間ほどおいしく食べられるとあるものが多いようですが、コリアン系の方のレシピだと冷蔵庫以下の温度で3週間以上漬けるというのが多いようです。私のコリアンのお友達も「まず4週間だよね!」「そうね、一ヶ月くらいは待つよね」「3日や4日じゃ全然だよな。それはそれで食べるけどな。」と口をそろえておりました。


いよいよ次回のアップで一応アタシが作るキムチのレシピをお見せします!
とうてい「これが一番オイシイキムチのレシピです!」など鳩胸を張って言えるようなものではありませんが、まあまあおいしく食べられますし「こういうことをやるとこういう感じになるのねー」というご参考くらいにはなると思います。

また、発酵させない作り方のキムチ(コッチョリキムチ)をお友達に教えてもらったときのレポが過去記事にあります。もしよろしければそちらをご覧になってお待ちください。




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