ターキーを焼こう1:解凍・ブラインについて

サンクスギビングがやってきますよ!普段は作れない大物、ターキーを焼くのを手ぐすねひいて待っていたお料理クレイジーな私が粘着質な性格にものを言わせてアレコレ調べてみました。
 去年のターキーの写真、この記事を書くために保存しておりました。


ターキーのレシピは検索すると何千とヒットしてしまいますが、その中からどれを参考にしてどう作るか決めるのが迷うところですよね。なので単にレシピを掲載するのではなく、いろんな方法があるけどそれぞれどんな出来上がりになるの?みたいなことを調べて「なるほどなるほど、そういう効果のある手法ならば取り入れてみずばなるまい」「あ、そんなことならやらなくていいや」と、みなさんのレシピ決定のお役に立ちたくいろいろ書いてみました。


今回は解凍とブラインについて、次回は焼き方とスタッフィング、そしてその次はお勧めのサイドディッシュについてと3回連続で掲載(予定)する鼻息の荒さです。もう誰も私を止められない!ブヒヒヒン!


ゆっくり解凍、なぜ?
冷凍の肉や魚は室温でなく冷蔵庫の中で数日かけてゆっくり解凍しろと言われますが、なぜなんでしょうね。室温でサッサと解凍できれば何日も前に買っておくこともないのに。ちょっと調べてみました。

まず最大の理由は、常温で解凍しようとすると中心部が解凍される前に表面部分は室温程度の温度=細菌などの増殖に最適温度になってしまうことだそうです。食中毒の危険性ももちろんですが、品質の劣化も著しいので結局おいしく出来上がらないということになっちゃうのですね。

また、低温解凍でないと解凍中にドリップ(肉汁)が大量で出てしまい、そのためうまみも損なわれ、ぱさぱさした質感になってしまうということもあるそうです。

 今年は14パウンドのターキーを購入しました。木曜日がサンクスギビングなので土曜日に買ってきて冷蔵庫に入れております。冷蔵庫で解凍するには、ターキーの重量が5パウンドにつき24時間かかるといいます。10パウンドなら2日、15パウンドなら3日の計算ですね。


どうしても急いで解凍したいときには、ターキーがすっぽり入る大きさの容器に氷をたくさん敷いて、その上にターキーを乗せ、更にたくさんの氷をかぶせてから水を張り、弱い水流で水を注ぎ続ける流水法という解凍方法だと熱伝導的に効率がよく、冷蔵庫よりも早く解凍できるらしいです。しかしただ水道水を注ぐだけだと温度上昇が高すぎ鮮度が急激に劣化してしまうため、肉の上下に常時氷が必要とのことだったので途中で氷を足すとか、けっこう手間がかかりそう。



ブラインってなーに?
お料理の範疇ではブライン(brine)と言うと塩水に肉や魚を漬けることです。たいていの場合はタダの塩水じゃなくハーブやスパイスで調味した塩水を使います。

ターキーのレシピを検索するとブラインする方法がかなりの高確率で使われているのですが、実際にそれってどうなの?3日もかかって解凍した後でもう1-2日も漬けるとか、そんな時間かけて作る意味あるの?と言うことでこれも調べてみました!以下、ちょっぴり頭デッカチな感じになりますが、ご興味があればお読みください。


通常、筋肉繊維は加熱されると重量でその30%にあたる水分を失うものだそうです。ターキーや鶏の胸肉はもともと脂肪が少なくたんぱく質が多い肉質なので、それだけ水分を失ってしまったらパッサパサのモッサモサになっちゃう。


そこで塩水に肉を漬けると、1)塩で浸透圧が強くなっているので肉がよく水分を吸い込む、2)濃すぎない塩水に肉を漬けると筋肉繊維の一部が塩により溶解し、そのため肉質がやわらかくなる、3)塩水が浸透することで筋肉繊維が膨らんでほぐれてたんぱく質の線維束が一部破壊され、塩水の水分が破壊された繊維束の隙間に入り込み保持されるので調理後の肉質がジューシーになる・・・などの効果があるのだそうです。

結果としてブラインすると、加熱調理したときに失う水分が約15%に抑えられるのだそうです。ほほう。漬けて水分を吸わせていることを考えるとかなり違いそうですね。悔しいけどやってみる価値ありかと思います。


ブライン方法

漬ける塩水ですが、一般にターキーの場合は1ガロン(およそ4リットル)の水に対して2カップ(10oz、約280g)の塩(粗粒)を使い、12-24時間漬けるのがガイドラインです。

しかし私は去年にこのくらいの量の塩を使い、24時間漬けたところちょっぴりショッパめだったので、今年は1.5カップくらいの塩を使うことにしています。また、粗粒(coarse)でなく、サラサラした塩を使う場合にはこれより少なく使わないとショッパすぎるということになるでしょう。ターキーはクレイビーやソースをかけて食べるのが前提なので、味が濃いよりは薄いほうがずっとマシですもんね。


ブラインは、以上に書いた肉質変化に加えて塩味や風味をつけることも大きな目的であるので、タダの塩水でなくアップルサイダー(日本で売ってるラムネみたいなものでなく、りんごで作ったアルコールを含まないワインみたいなもの)やスープストックを使ったり、ハーブや果物、香味野菜などを加えて香りや味をつけられるのも楽しいですね。


ブライン液に砂糖を混ぜるというレシピもたまに見ますが、砂糖には肉質変化に対する作用はほとんどないということです。しかし甘みのある液が肉にしみこむという効果はあるので、ほんのり甘い、メープルハムのような味付けが好きならココは使ってみるべきかと。私は使いますよ。


これらを調べた結果、私はブライン液に砂糖をカップ1ほど加え甘みをつけ、香りはスパイスではなくオレンジやりんごをざく切りにしたものにローズマリーとオレガノを加えてフルーティな感じにし、さらにバーボンを加えてアルコールによる肉臭軽減効果およびアメリカっぽさを演出してみます。

ターキーがすっぽり入るでかいバケツみたいな容器があればそれを使えばいいのですが、お持ちでない場合はゴミ袋を使うのが効率がいいと思います。

 空気を抜いてキュッと閉めるとブライン液も必要最低量でできますもんね。


冷蔵庫の中で液モレされたら大変なので、strong とか heavy duty とかのバッグを選ぶことをお勧めします。
 それでも私はバッグを二重にして一応デカなべに入れて冷蔵庫に入れときます。サイズは私は13ガロン(tall kitchen)を使っています。大きいと使いやすいですが、もう一回り小さくでもいけるかも。


私は水曜日の夕方ころにブライン液に漬ける予定です。ウホホホホホ楽しみすぎ。
上記していますが、続いて焼き方やスタッフィングについても記事をアップする予定です。実は仕事もけっこう忙しくて大急ぎで書いているのでおもしろみのない感じになっていますが、またいらしてくださいませ。


参考サイト

3 Ways to Defrost Food Safely

USDA Turkey Basics: Safe Thawing

Why Brining Keeps Turkey and Other Meat So Moist



過去レシピを一覧にしています。よければどうぞ。→過去記事・レシピ一覧


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