ダレも作りたくないほどの本格タンシチュー3/3

神奈川のある洋食屋でお友達と二人でタンシチューを食べたらあまりにおいしくてビックリしたことがあります。オイシイね！オイシイね！とあまりに連発してる女二人組みをほほえましく思ったのか、すっかり食べ終えたお皿をさげたウェイターさんが「料理長がよろしければお代わりをいかがですかと申しておりますが・・・タンは入りませんがソースだけでよろしければサービスでいかがですか？」とのお申し出をいただいたことがあります。「えっ！！いいんですか？いただきます！」とシンクロした遠慮なし子ちゃんです。

今日は3回に分けてアップしたタンシチューのレシピの最終回です。最後に作業を軽減した簡単レシピをご提案してます。これまでのところはこちら↓。

ダレも作りたくないほどの本格タンシチュー1/3（材料と下準備）
ダレも作りたくないほどの本格タンシチュー2/3（作り方・前編）

早速続きです。

5）前日にゆでて、茹で汁にいれたまま冷ましておいたタンを取り出します。
　手ごたえドッシリ。

6）皮をむきます。引っ張ればムケるところと、ナイフでそがなければならない部分があります。
　コレは引っ張ってムイたところ。ムキムキ〜。皮の下の肌もグロくてちょっとビックリ。

7）舌の根元の裏側（下側って言うの？）はトロ部分でおいしいのですが、この内部に血管だかなんだかがあってそのまま輪切りにすると食感も悪いし、皿の上でソレを見つけちゃった気の弱い人が「ギャッ！めっちゃ管！体組織！」と食欲をなくしてしまうことがあるので、この部分をナイフで大きくそぎ落とし、中の血管だとか血の塊とかを取り除きます。
　ココです。ココ！これを取っちゃいます。写真むかって左側のそぎ落としたところは捨てないように。おいしい部分です。

8）キレイに皮をむいて中の血を掃除したら、思い切って大き目の輪切りにします。
　さきっちょは固めの食感で歯ごたえイイ感じです。
　根元は脂肪が多くてやわらかいトロ的部分です。煮込むと柔らかほろほろ〜。

9）切ったタンを、バター（分量外）を溶かしたフライパンで焼付け、順次ソース鍋に入れていきます。
　この段階でタンステーキ。このまま食べてもオイシイけど一切れで我慢。

10）タンを全部焼いたら、そのフライパンにワインを入れます。ジュー！となりますが、へらで鍋肌をこすり、タンの味をあますところなくワインに移します。「えー？そんなん意味あるのー？」とか思う方、このワインをちょっとなめてみてください。「ヤダ！すごい牛味濃いし！」と思うはずです。このワインもソース鍋に移して弱めの火でコトコト煮こみます。
　小麦粉のルーを使っているので火が底がこげつかないようにたまにへらで大きく底から混ぜます。

11）2時間煮たら、タンをすべてお皿に取り出し、ソースをザルで漉し、へらやすりこ木でその野菜を押して汁気を搾り取ります。シノワとか持ってればベストですね。

12）漉してなめらかになったソースを鍋に戻し、タンも戻しいれ、半分に切ったマッシュルームをいれて15分から30分ほど煮てできあがりー！これは一晩置いて次の日に食べたほうがおいしいですよ。

　茹でカリフラワーと茹でサヤインゲンを添えていただきまーす！

うますぎるゥー！！超ヤバイよコレ！このソースぺちゃぺちゃなめながらワイン飲める。タンの根元のほうは箸で切れるくらいやわらかほろほろ〜♪　先っちょのほうはミッシリした食感でこれもまたウマイ。ドテラ大喜びのあまりツイスト踊る。

作業軽減案

今日まで3回に分けてアップしたタンシチューのレシピですが、これはかなーり労力と時間がかかるので、手の込んだ料理にゆっくり取り組みたいと思う方だけにお勧めします。
そこで、「おいしいタンシチューを家で食べてみたいけどこんな大変な料理はとても出来ないわー・・」という方のために、手順を省いて作れる案をいくつか上げてみます。ポイントは、生のタンを自分で丸ごとゆでてから煮込んで作ると、切った姿で売っているものを使ったのとは比較にならないおいしさ！というトコなので、そこだけ抑えつつ他の作業を軽減・省略してみます。

1）市販の缶のデミソースとビーフスープの素を使えば小麦粉をいためてルーを作るとか、野菜を煮て漉すとかが不要になりかなり楽になります。
2）いっそ市販のビーフシチューのルーを使えばもっと簡単です。ゆでて切って焼いたタンを、いつも作るビーフシチューのビーフの代わりに使えばＯＫです。

たしかに自分で取った牛骨スープとか小麦粉を丁寧にいためて作ったルーとかはおいしいけど、忙しさとか興味の度合いとかそれぞれの都合とかもあるので、何が何でも手作りで！とか力を入れることもないと思います。家庭料理は日常の仕事なので、出来る範囲で無理なくやれなければ意味ないし。それに日本で売ってる缶詰とかシチューやカレーのルーってかなり優秀で侮れないですよね！

それにしても生の牛タン一本丸ごと料理したりしたら、その充実感と満足感は自分に乾杯しちゃいたくなるくらいですョ！日曜の昼ビール、ウマー！

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