貝プリプリ大満足☆クラムチャウダー

荻昌弘いわく「アメリカ人の作る料理でも、クラムチャウダとBLTサンドイッチ(ベーコン、レタス、トマトのサンドイッチ)だけははずれがない」・・・とはWikiのクラムチャウダー記事内でも言及されている有名なくだりですが、そうですかね〜?たいしておいしくないクラムチャウダーもけっこうあるわよ?
まず間違いなく失敗なしにおいしく作れるように工夫したクラムチャウダーのレシピはこちらでございまーす♪


4回連続で海産物を使ったアメリカ料理レシピを掲載する特集をしていますが、その第二段は今の時期にとってもおいしいニューイングランド風クリーム系クラムチャウダーです。

ご参考
第一弾:オイスター・ロックフェラー


アメリカのスープの代表、クラムチャウダー

コーンチャウダーやフィッシュチャウダーなどもおいしいけど、やはりチャウダーと言えばそのバツグンの認知度と人気からクラム(ハマグリなどの二枚貝)を使ったものが代表的ですね。

しかしあまり知られていませんが、実はクラムチャウダーにも二種類あるのです。たぶんみんなの知ってるクラムチャウダーはクリームを使った白いのだよね?これはニューイングランド風のレシピなのですが、一方でニューヨークにはトマトとコンソメを使って赤くさらりと仕上げるマンハッタン風クラムチャウダーというのがあります。これもおいしくないことは決してないけど、やっぱりクリームでまろやかに作った白いのがニューヨークでも主流じゃないかな。


材料
クラム 12個
白ワイン 50cc
ベーコン 4-5枚
たまねぎ 小1個 (大なら1/2個)
バター おおさじ1
小麦粉 おおさじ山盛り1
じゃがいも 2個
ローリエの葉 1枚
牛乳 500-600cc (好みでこのうちの100-200ccほどを生クリームにしてもヨシ)
塩、こしょう
パセリのみじん切り 少々


アメリカではクラムを刻んだ缶詰(アマゾンにリンクしてます)とか、クラムジュース(貝の汁ですね)の瓶詰めなど便利なものが売っていますが、活きてる貝を使うことを強くお勧めします。ぜんぜん違います。

クラムはサイズがいくぶん大きめのチェリーストーン(Cherrystone) と、小さめのリトルネック(Littleneck)という種類があるのですが、クラムチャウダーに使うならチェリーストーンがいいと魚屋のおじさんが言ってました。ウチの近所の魚屋では、1ダースのクラムで$5.99でした。アストリアだから安いのかな。

今回使ったチェリーストーンはすごくデカかったわ。大きさ比較の卵(L玉)にご注目ください。


作り方

クラムチャウダーの正統なレシピでは貝を生のまま刻んでバターで炒めるところからはじめるのですが、そうすると砂が混ざる、貝がこまごましすぎる、そしてなにより貝のおいしさがイマイチ発揮されていないできあがりになる・・・などのマイナス面が大きいように思いいつも首をかしげながら作っておりましたが、ある日思いつきで最初に貝をワインで蒸してから使ったら貝のプリプリ感と貝のダシ味がすさまじく向上!レシピに定着させました。


1)貝は貝殻同士をこすり合わせるようにしてよく洗います。


2)キッチリとフタができる鍋に、重ならないように貝を並べます。
 白ワインをかけまわし、フタをして強火にかけます。


3)ワイン蒸しにするのですが、加熱しすぎて身が固くならないよう、貝が2,3個開いたらフタをしたままで火を止め、余熱ですべての貝が開くようなタイミングが計れるとベストです。
生きてるものを蒸し殺しているのだからできるだけ短時間に済ませてあげたく、頻繁に様子をみてフタを開け内部の温度を下げてしまうと非常に精神にこたえてしまうタイプの人間だとここは苦しい作業です。
 大往生のハマグリちゃんたち。


4)テーブルナイフなどを使い、貝から身を外します。
 このときに貝から汁があふれていると思いますが、これは捨てずにワイン蒸しした鍋に残っている汁と一緒にしておいてください。


5) 鍋に残っている汁と、貝から出た汁をあわせてキッチンペーパーか布で漉します。やっぱ砂が出るから面倒でも漉した方がいいと思います。これがスープのベースのハマグリの濃いおいしいダシになるので大事に取っておきます。


6) たまねぎとベーコンをそれぞれをみじん切り、じゃがいもは皮をむいてさいの目に切っておきます。


7)スープ鍋にバターをとかし、弱めの中火でたまねぎを炒めます。


8)たまねぎが透き通ってきたらベーコンとローリエの葉を投入、そのまま炒めてベーコンから脂を出します。


9)続いて小麦粉を振り入れてザッと混ぜます。

たまねぎが入っていて水分があるので、ベシャメルソースを作るときみたいに小麦粉をよく炒めるのが難しく、鍋底に小麦粉が張り付いてきてしまうと思います。火を弱めて焦げ付くのを予防しつつ手早く次の手順に移ります。


10)牛乳を加えます。
小麦粉を炒めて作るクリーム系ソースを作るときにダマになっちゃう主原因は1.小麦粉にじゅうぶん火が通っていない、2.加えた牛乳が冷たくて温度差がデカイ、のふたつですが、チャウダーを作るときにはたまねぎが入っているのでよっぽど大量にバターを使わなければ焦げ付かせずに小麦粉をよく炒めるのは難しいと思います。

なので牛乳を加えるときには温度に気をつけて失敗を防ぐのですが、炒めている具を鍋の手前に寄せて、鍋を向こう側に傾けたところに軽くお玉に一杯ほどの牛乳を入れ、具と混ぜる前に牛乳を温めるという方法だと洗い物が増えませんね。この方法に自信がなかったら最初に牛乳をレンジで温めておくなどしてください。

11)これが牛乳を混ぜ始めたところです。ゴッチャリした感じになりますが、たぶんダマになることはないと思います。
 
同じ手順を繰り返し、牛乳を用意した半量ほど混ぜていきます。残りの半分は仕上げにとろみを見ながら加えていくのでとって置いてください。

これがだいたいカップ1くらいを混ぜ終えたところです。
 味見するとめっちゃクリームソース。この時点でかなりオイシイ。


12)ここに5)でとっておいた貝の汁をすべて加えます。
 ザブーーン。


13) さいの目に切っておいたじゃがいもを投入!
たまにかき混ぜながら、弱めの中火でじゃがいもが柔らかくなるまで煮ます。牛乳が分離しちゃうので決して沸騰させたらダメよ!


14)この間にクラムを刻みます。
じゃがいもと同じくらいの大きさだとバランスがよいのですが、大きめに切って歯ごたえを活かし迫力を出すなど好みで加減してください。


15)じゃがいもが柔らかく煮えたら、様子を見ながら好みのとろみになるまで残りの牛乳を加えます。ここでは牛乳ではなく生クリームを使うのもアリです。


16)14)で刻んだクラムを加え、塩こしょうで味を調えたらできあがりー♪ 
貝を加えてからは加熱しすぎないように。身が固くなるとガッカリです。

みじん切りのパセリを散らし、バゲット、サラダ、キリッと冷やした白ワインと一緒にイタダキマース!
 アメリカでは塩クラッカーを添えることも多いです。サンフランシスコでは丸型のサワードーブレッドの中身をくりぬいて、それを器にしてチャウダーを注いでいただいたりもしますね。

これがねえ。。。。面倒くさがって瓶詰めのクラムジュース使ったり、牛乳をぶち込んで煮たあとにコーンスターチでぞんざいにとろみを付けたりしたクラムチャウダーとはほんと別物。日本のアサリの酒蒸しに通じる貝の味の濃さ。そしてクリームソースも自分で小麦粉とバターと牛乳で作ると香りとまろやかさが全然違うわ。。。ほんとしみじみオイシイわ〜〜〜!


前回のオイスター・ロックフェラーに続き、アメリカにも力技に頼らないおいしいレシピ、あるでしょう?ね?とドヤ顔を決めてしまっておりますが、4回連続でお届けする海産物を使ったアメリカン・トラディショナルなステキレシピ特集、次回はこの子を使った一品をお届けしまーす!

 日本ではめったに食べないこの食材を使ったステキレシピです。お楽しみにー♪

I have the recipe in English as well!

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