ブイヤベース風☆魚介のスープ
新鮮な魚や貝、エビなどをタップリ使った南仏のシーフードスープ、それがブイヤベース。ハァ〜〜〜・・・ブイヤベースと聞いただけでウットリしてしまいますね!プロバーンス!
今日はそんなステキなシーフードスープの王様、ブイヤベースのパチモンスープのレシピをご紹介しまーす♪
なんでパチモン・・・???
どうせならちゃんとしたレシピのせれや!と言いたいところでしょう?アタシだってそう言いたいよ!ところがブイヤベースにはマルセイユ市がブイヤベース憲章として公式に規定したレシピがあり、憲章に則っていないレシピは邪道として軽んじられているという現実があるのだそうです。
伝統的な料理であっても時代の移り変わりに自然によりそいその姿を徐々に変えているものが多い中、断固として伝統のレシピを揺るがせずヌーベル・キュイジーヌの波を乗り切ったマルセイユ市民の心意気、プロジェクトXレベルだったはず!
この感情移入のたくましさ、ほんとにアスペルガーの逆を行くメンタル疾患ではなかろうかと自分で不安になるレベルですが、厳密にブイヤベース憲章に則っていない私のレシピなどむしろ堂々とパチモンと名乗らせていただきます。
ブイヤベース憲章
せっかくなのでネットで検索したブイヤベース憲章をご紹介します。
1.具材として地中海の岩礁に住む魚類を4種類以上、それに加えてアンコウを入れる。
2.鯛、平目、オマールえび、ムール貝類、たこ、イカ、カニは入れない。
3.ダシを取る小魚は決められた魚を使うこと。
4.ブイヤベースは短時間で仕上げること (ブイヤベース bouillabaisse の語源は「煮込む(bouill)+火を止める(abaisse)」の合成語であるらしい。)
5.フェンネルは必ず使う。
しかし日本語と英語でネット検索した結果、魚は4種類じゃなく5種類だ、とか、エビはダメだが伊勢海老は可とか、アンコウとか別になにも言ってないとかなんか一貫してないし。地元の食材しか認めないあたりブランド構築をもくろむの商売臭がフンプンとしていますが、それにしても私のレシピは材料の種類の少なさからとてもブイヤベースとは言えない範疇にあるということは確かなようdeath.
材料
多種類の具を使う本場のブイヤベースはどうしても大量にできてしまうので10人以下のためには作らないといわれていますが、ブイヤベース憲章とかは置いといて、魚介料理の基本を考えると貝類・魚・その他の魚介(エビ、カニ、イカなど)を最低ひとつずつそろえるのが家庭で現実的においしく作れる目安かと思います。
ムール貝 1パウンド(450g)
たまねぎ 1/2個
にんじん 小1/3本
セロリ 1本
にんにく 1カケ
オリーブオイル おおさじ1
白ワイン 100ccc
エビ 200g
白身の魚(何でもいいです。甘塩たらとかでもヨシ。) 200g
トマト1個
にんにく 1カケ
たまねぎ 1/2個
セロリ 1本
トマト 1個
じゃがいも 1個
ローリエの葉 1-2枚
オリーブオイル おおさじ1
サフラン 1つまみ
白ワイン 100cc
塩
こしょう
魚のスープストック(ご参照:アストリアで初カツオ) 1リットル
作り方
1)まずはムール貝を用意します。アメリカでは年中お手ごろ価格で売っています。食べるとけっこうおいしく、ベルギー料理の定番でもある食材です。
なんでも食べ、汚れた水でも生息し、そして大量に増殖することから海のゴキブリと呼ばれるムール貝。マンゴスチンを果物の女王と呼んだりホタテを海の貴婦人と呼んだりするような尊称が存在する一方で気の毒になるほどの扱いですね。
ムール貝 「アタイが海のゴキブリでホタテが海の貴婦人かよ。納得いかねー。」
ゆう 「アンタの場合ルックス的に似てるとかそういうこともあるけどな。」
アメリカではムール貝は1パウンド(450g)の袋で売っているのでそれを使いますが、日本にお住まいの方はそんなにたくさんの貝を使わなくても充分だと思います。また、ハマグリやアサリなどで代用するのももちろんオッケです。
2) ムール貝は貝殻同士をこすり合わせるようにして、水でよく洗います。貝の合わせ目からチョロリとぶら下がってる餌だかなんだかもできるだけ引っ張り取り除きます。
3)ムール貝用の香味野菜(たまねぎ 1/2個、にんじん 小1/3本、セロリ 1本、にんにく 1カケ)をすべて薄切りにします。
4)ピッチリフタのできる大きな鍋にオリーブオイルおおさじ1を熱し、3)の野菜類を中火で炒めます。少ししんなりしてきてにんにくの香りが立ってきたところで強火にし、ムール貝を一度に入れてザッと混ぜ、ワインをかけまわしてすぐにフタをします。
5)鍋の大きさや火力にもよりますが、3-4分で貝が開くはずです。貝が開いているのを確認したらすぐ火を止めてそのまま触れるくらいまで冷まします。冷めたら鍋から貝を取り出し、鍋に残っている汁はキッチンペーパーか布で漉しておきます。
やっぱ砂が出てしまっているので、面倒でも漉した方がよいかと思います。
6) たまねぎ、セロリ、にんにくを薄切りにし、トマトはざく切りにします。じゃがいもは皮をむいて一口大にし、水にさらしておきます。サフランを50ccくらいのぬるま湯に漬けておきます。
7)エビは殻をむいて背わたをとります。白身の魚は一口大に切って軽く湯引きしておきます。湯引きのお湯にレモンの薄切りを一枚入れておくと魚くささがやわらぎます。
8)スープ鍋にオリーブオイルを中火で熱し、ローリエの葉、たまねぎ、にんじん、にんにくを炒めます。しんなりしたらじゃがいもとトマトも投入。
9)じゃがいもが少し透き通ってきたら5)で漉したムール貝の汁と魚のスープを入れます。
私は魚を丸ごと買ったときの骨や頭を使い、カツオの記事でチラッとお見せした方法で魚のスープをとって冷凍しておいたのを使うのですが、こんなものの用意のない方は普通に鰹節やいりこ、昆布などでダシをとってつかうとけっこうおいしくできます。ほんだしとかはいかにもうどんのダシのような香りが強くなってしまうのであんまりおススメしません。
今回、私は刺身用に買ったfluke(ヒラメ?)のアラでとったスープを使っています。
10)強めの中火で、アクをすくい取りつつ10分ほど煮ます。
11)じゃがいもが柔らかくなったら7)で用意した魚とエビを投入。魚の身を崩さないようにあまりかき混ぜない。
12)エビの色が変わったら6)でぬるま湯に浸しておいたサフランをお湯ごと鍋に加え、軽く混ぜて味見をして塩こしょうで味を調え、白ワインを加えて香りを立ち上がる香りを楽しみます。
13)最後に5)で用意したムール貝を投入!
貝を入れたら具がたくさんになってかき混ぜることが不可能になります。鍋にフタをし、スープがかるく煮立ちそうになったら沸騰直前に火を止めます。これでムール貝もあたたかくなっているはずです。
それでは冷やした白ワインとバリッとしたフランスパン、おいしいチーズと葉物のサラダなんかと一緒にイタダキマース!!
エビとか貝とかの具ももちろんおいしいんだけど、なにこのスープ。魚介のうまみが充分で、たまねぎやセロリの香味野菜&にんにく&サフランのそれぞれの香りとまじりあう風味の豊かさなのにいくらでもおかわりしたくなる軽やかさ。たった三種のシーフードだけでこんなおいしいなら本場のブイヤベースとやらはどんだけおいしいの・・・?(あんまサフランの色がよく出なかったけどケチりすぎたかしら。)
無駄口が多く長々した記事になってしまいましたが、手順事態は単純だし、なによりとってもおいしいスープなのでこれから水が冷たくなって海のものがおいしくなる季節にぜひお試しいただきたいレシピです。材料は上記のものに限らず、手に入りやすいものをなんでも使ってみてください。カニが入るとまたおいしいだろうなー。
ワインを一緒に
ワインとかほんとはよくわかってないのですが、今後レシピと一緒に飲むのによさげなワインなんかも紹介してみようかなーなどと挑戦してみます。
このスープと一緒に飲むならピノ・ブランやシャドネなんかのちょっとドライな白ワインがよいかと思いますが、今回は近所のリカーストアでちょっと珍しいワインを試飲して買ってきました。15ドルくらいでした。
オーセロワ(Auxerrois)というブドウで作ったワインなそうな。辛すぎないスッパすぎないサワヤカ系で、食事がすすむワインでした。
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