イカのウォッカトマトソース煮こみ後編・火をつけて煮込む

イカの解体ショーは楽しんでもらえたでしょうか。今日はいよいよお料理します。一応ウォッカトマトソースと銘打ってはおりますが、ワインでもクリームでもおいしく仕上げることができるようにいろいろ粘着質に書いていきます。
 アタシほんとうにお料理をおいしそうに写真撮れないよなー。あいほーんの機能的限界と思われるが。

材料
イカ スルメイカなら2-3ハイ、他のイカなら処理前で400-500gくらい。
たまねぎ 一個
にんにく 1-2カケ
タカの爪 1本(好みで。無くてもいいです)
オリーブオイルまたはバター スプーン1程度
トマト缶もしくは生のトマトを刻んだもの 400グラム
ウォッカ 30-40cc
鶏系もしくは魚介類系スープ 1カップくらい(無ければ水でオッケです)
ローリエの葉
塩、こしょう
私は今回、上記の材料の二倍量を使って料理しています。


作り方
1)にんにくとたまねぎをみじん切りにして、タカの爪と一緒にオリーブオイルまたはバターを熱したフライパンで炒めます。火は中火。
 煮込み鍋でもいいんですがあとで火を使ったパフォーマンスを予定の方はフライパンのほうがよろしいかと。


2)たまねぎがしんなりしたら火力を上げて前回のイカのさばき方の要領でぶつ切りにしたイカを投入。
 イカからはかなり水分が出てきます。弱火だとますますグツグツしちゃいますので強火でチャッチャと炒めます。


3)ウォッカを用意。
 白ワインでもおいしくできるのですが、ウォッカのパンチがガツンときいたものもまたおいしいものです。できればアブソリュートとかスミノフとかよりも味の濃いものを使って欲しいところです。このレシピではウォッカを多めに使っていますが好みで増減してください。フランベする際、使用する酒はあらかじめカップに入れておきます。ボトルから直接注ぐのは火が手元に移ったりすることがありデンジャラスです。


4)イカにだいたい火が通ったらウォッカをまわしかけて鍋を傾け、鍋の中に火を入れてフランベしちゃいます。
 キッチンの照明を落としたりせずに撮影したので火が見えにくいかもしれませんが、鍋肌にそって青い炎が立っているのがわかるでしょうか。「炎の様子を劇的に躍動的に撮影するのだ!」とのミッションに対してドテラが撮った写真です。精進するがいい。


わりと大事な注意
フランベは危険ですので経験が無い人はやめといてください。はじめは慣れた人がそばにいてくれる状況で練習する必要があるでしょう。自信と経験のある方も、周囲に不要なもの(特に可燃性のもの)を置かない、引火しかねないヒラヒラの長袖は着ない、いつでもパッとかぶせて火を消せるよう手元にフタを用意するなどの注意を充分払ったうえで自己責任で行ってください。
パフォーマンス的に写真を撮ってブログにのせたりなどしておりますが、しばらく炒めていれば煮切れてアルコール分は飛んでしまいますのでフランベしなきゃおいしく作れないというものでもなく、むしろそのつもりじゃなかったのに鍋に火が入って炎があがってビックリ!ということがないように気をつけてください。
ステーキのフランベのようにブォッと赤&黄色の炎が激しく一気に立ち上がることはないのですが、ウォッカの炎は比較的長時間燃え続けます(今回75ccほど使いましたが30-40秒ほど燃えていまし)。自然に火が消えるまでそっとみまもりましょう。


5)炎が消えたようです。しかしアルコールの炎って煙も出ないし美しいよね。

アレンジ案:塩系パスタ
この段階で味見するとウォッカの味がガツンときいていてかなりおいしく、このさらさらしたソースに刻んだパセリを入れてエンジェルヘアーなどの細いパスタでいただくのもまたステキな一品です。ウォッカのかわりに白ワインを使うのももちろんアリです。

アレンジ案:クリーム系パスタ
また、これにトマトではなく牛乳もしくはクリームを適量入れてクリーム系パスタソースにしてしまうのもおススメです。とろみをつけたいなら、1)炒めたイカに小麦粉をふりかけ更に炒めたところで牛乳を少しずつ入れて伸ばす、2)牛乳を入れ温まったところでバターと小麦粉を混ぜて練ったもの(ブールマニエといいます)を最後に入れる、3)あんかけのあんにとろみをつける要領で小麦粉または片栗粉を水又は牛乳で溶いたものを最後に鍋肌から入れる、などの方法をお試しください。乳製品を入れてからは沸騰させると分離しちゃうので火加減に注意。クリームソースにする場合はにんにくとタカの爪を使わないほうがいいでしょう。


6)予定通りトマト煮にするならトマトとローリエの葉を投入!
 
トマト煮にはトマトを入れたらサッと火を通す程度で短時間で仕上げる方法と、トマトとスープを一緒に入れて数時間煮込む方法と二種類あります。どちらにもよさがあるのですが、具に骨なし鶏肉・魚・エビなどを使うときには短時間で仕上げ、牛肉・骨付き鶏肉・ひき肉などならゆっくり煮込むのが定法でしょうか。
イカは短時間で仕上げてプリプリ歯ごたえを楽しむもよし、トロトロ煮込んで柔らかくしちゃうもよしのどっちもいけちゃう素材ですのでお好みで決めてください。


7)短時間で仕上げたい方は、これをいったん煮立たせたところでできあがりです。


8)トロトロ煮込みたい方は、鶏もしくは魚介のスープを加えて中火で熱し、一度アクをすくってから火を弱めて2時間ほどフタをせずに煮込みます。
 前日にムール貝を酒蒸して食べておき、皿に残ったスープを捨てずに使うとおれおまドンピシャですね。アメリカって日本と比べると海鮮がイマイチなことが多いけど、ムール貝はおいしくて安くて簡単な優秀食材ですね。ワインで蒸すのが定番だけど日本酒でもいいしベルギー風にビールでもまたよし。


9)最後に味見をして、塩こしょうで味を調えてできあがりー♪ もし味がツンツンしてトマトの酸味が強いように感じるならケチャップを加えて甘みを加えてみてください。次回はたまねぎの使用量を増やすといいですよ!


10)パスタはスパゲティでいいのですが、これはけっこう味の濃いパスタソースですのでフィットチーネやリングイネなど少し太めのものや、ペンネなんかがいいでしょう。じゃがいものニョッキにもよく合います。しかし今回のアタシは特別にこういうものを用意しております。
 イカ墨入り平打ちパスタ。おいしいかなーおいしいかなー。

 オイシイ!やっぱウォッカ使うと一味違うね!ゆっくり煮込んだイカが柔らかく、トロトロトマトソースもイカ味充分で大満足。


イカはコレステロールが高いといわれますが、カロリー事態は非常に低く100グラムあたりのカロリーは88kcal(同量で牛ヒレ肉223kcal、皮なし鶏モモ肉116kcal)です。おいしく低カロリー高タンパクのイカを健康のためにも積極的に毎日の食事に取り入れていきたいですね。イカラバー増殖振興会NY出張所でした。

I have this recipe in English as well!

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