簡単なのにおいしすぎ!パッションフルーツのムース

中南米のお料理が続いていますが、最後はデザートにステキなパッションフルーツのムースをどうぞ。たかがムースのレシピなのにネッチリと粘着質にいろいろ書きました!
 パッションフルーツの酸味とフルーティな香りがココナツミルクと生クリームでメロメロまろやかにされてしまって、もう誰が食べてもウマイっていうはず!


パッションフルーツのムースはブラジルでは定番デザートらしいのですが、ネットで検索するとたくさんのレシピがヒットしてそれぞれけっこう違いました。ザックリとまとめると以下のような感じです。

  • ムース食感を出すためにホイップクリームを使うものと、あわ立て卵白を使うもののふたつに大別できる。
  • パッションフルーツは酸味も味も強いので、他の材料を混ぜて全体の体積を二倍くらいに薄めている。混ぜるものは牛乳、他のフルーツのジュース(オレンジなど)、ココナツミルクなど。
  • コンデンスミルクを使ったレシピが多い。


この他にもココナツフレークをたっぷり入れたものや、ラム酒やリキュールで香りをつけたものなどがありましたが、まあ派生的なレシピみたいです。これらを考慮した結果;


決定1)卵の生食が日本ほど安全でないアメリカ(卵の生食とサルモネラについてしらべた過去記事があります。ご参考まで。)ということもあり、卵白でなく生クリームをホイップして使用します。風味の点でもこちらの方が好ましく思いました。

決定2)ココナツミルクを使います。理由は好きだからです。

コンデンスミルクについては、激甘練乳がパッションフルーツのさわやかさを殺してしまわないかが懸念でもあり、使ったものと使わないものの二度作ってみました。

その結果、やはり練乳を使うとパッションフルーツの酸味と存在感がけっこう軽減されることがわかりました。しかし練乳を使わないとパッションフルーツとか食べなれない舌にはスッパさが強すぎるかも・・・という感じでもあります。私個人の好みで言うと、クリーミーでソフトな口当たりになるよりも、適度にミルキーでありながら主役の南国フルーツがしっかり主張してるくらいの方がおいしく感じたので、コンデンスミルクは使用しないことにしました。


材料
20cmx30cmの型にたっぷりできます。多すぎると思う方はこの半量で作ってください。軽くておいしいからペロリと食べられちゃうけどね。。。。


冷凍パッションフルーツ果肉 400g
ココナツミルク 1缶(400cc)
砂糖 150g
生クリーム 200cc
生クリーム用砂糖 おおさじ1
粉ゼラチン 16g


生のパッションフルーツを手に入れることは、たぶん日本でもアメリカの他の街でも非常に困難だと思います。材料としてベストなのはおそらく冷凍の果肉でしょう。
 アストリアではフツーのスーパーの冷凍コーナーにラテン系フルーツ果肉がいろいろあるんだからほんと引っ越せない。大型スーパーや、ラテン系グロッサリで売っていると思います。入手困難な場合はパッションフルーツのジュースを使うのが次善の手かな。


アメリカでは味の付いたゼラチンの粉ばかり売っているようですがunflavored gelatinも売っていて、内容は小袋になっています。量ってみると1パックで8gでした。この材料だと2パック(16g)使いますが、日本では粉ゼラチンは1パック5gですよね?その場合は3パック15g使用してください。


作り方
1)鍋に水75ccを入れたところにゼラチンを振りいれ、ふやかします。ゼラチンを器に入れたところに水を入れたりしたらダマになっちゃって、いくら火にかけてもとけないですよー。その場合はもう捨てるしかないdeath。


2)10分ほどたったら鍋を弱火にかけ、ゼラチンを煮溶かします。ゼラチンが溶けたらオッケなので、沸騰させたりする必要はないです。


3)そこにココナツミルクを加え、砂糖を入れて溶かします。砂糖の使用量が多くてビックリなさったかもしれませんが、低温だと舌が甘みを感じにくくなるので冷たいお菓子にはけっこう多量の砂糖が使われています。好みで加減してください。
 すぐに冷やし固めたいので、必要以上温めないようにしたい。


4)3)の鍋にパッションフルーツの果肉を加えます。私はセッカチですぐに固まらせたいので、冷凍果肉を解凍せずそのまま入れちゃいますが、その場合は鍋内で局所的にゼリーが固まり始めることもあるので泡だて器で激しくかき混ぜながら混ぜます。解凍したジュース状の果肉を加えるならそんな心配は無用です。


5)4)を冷蔵庫に入れ、冷やします。


6)次に生クリームを泡立てるのですが、冷やしていたゼリー液があわ立てたクリームと同じくらいの固さになっているとベストなので冷蔵庫でのゼリー液の固まり具合をみながらタイミングをはかってください。

 アメリカで売っているあわ立て用クリーム(whipping heavy cream)は脂肪分がだいたい35%前後で、日本の生クリーム(製品によって42-47%くらい)と比べると軽めです。なので泡立ちにくく水っぽく、しかも泡立てたあとで時間が経つと水っぽく崩れてきたりします。

ムースの場合は必要ありませんが、アメリカ、ヨーロッパなどで含脂肪分の少ないクリームでデコレーションなどするときは、スタビライザーとしてcream of tartar(Potassium bitartrate:酒石酸水素カリウム)をチョッピリ使うといいです。これは通常卵白を泡立てるのに使用されますが、生クリームも安定します。いかにも科学添加物みたいな名前ですが、ワイン製造の際の副産物で天然のものだそうです。

砂糖おおさじ1を加え、8分立てくらいにあわ立てます。砂糖には保水作用があって、生クリームがしぼんでしまうのを防止するというのでここでもチョッピリ使います。


7) この時点で冷やしていたゼリー液が、クリームと同じくらいの固さだとベスト。
 ビミョーに固まりかけくらいのゼリー液を泡だて器で均一に混ぜてーー・・・


生クリームを混ぜ込みます!
 泡立てクリームってほんとカワイイ。


8)内側を水でぬらした型に入れ、冷蔵庫で冷やし固めます。固まるのに必要な時間は型の大きさや冷蔵庫の温度とかによります。
 ひとり分ずつガラスとかの器に造るのもいいけど、デカイ容器に一つ作って切り分けて食べるようにするのもまた一興&簡単。


固まったらイタダキマース!!
 こちらは四角く切り分けてちょっぴり生クリームをかけてみました。

こちらはグラスに入れたもの。
 フンワリ質感、この写真でわかる?


これがもうもうおいしくて、ほっとくとボウルにひとつでも食べてしまいそうな勢い!パッションフルーツって食べなれない果物だけど、まじオイシーイ!強い酸味と香りがココナツミルクと生クリームで絶妙なバランスです。

パッションフルーツが手に入りにくい方は、他の果物を使ってしまうのもアリです。イチゴ、ラズベリーなどのベリー系ならなんでも失敗なくおいしく作れます。キウイ、パイナップル、イチジクなどタンパク分解酵素が入っている果物はゼラチンを固まらせなくする働きがあるので注意が必要ですが、そんな果物も一度加熱してしまえば使えます。ピュレ状、またはジュース状の果物を手順4)で加えてください。

おいしくて簡単で、おもてなしにもピッタリなデザートです。ぜひぜひお試しください。
また、ゼラチンは豚由来なので宗教上の理由で豚を食べない人がいるときは使えないので、そこだけ気をつけてください。


過去レシピを一覧にしています。よければどうぞ。→材料別過去レシピ 

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